TOGODESIGNの雑記と年別リスト|愛知県名古屋市の建築設計事務所

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「建築家にできること」 2024/03/13 名古屋

住宅設計

仕上げはいつもお施主さん。
と言っても、壁を塗ったり床を貼ったり作業する訳ではない。
住宅が完成し、実際に住まわれてお施主さんの暮らしの色に染まって初めて住まいは仕上がると思っている。

住まわれて暫く経ってから撮影させていただいた写真と、建物竣工時のまだ住まわれる前の写真を見比べてみると毎回落ち込む。
あまり言いたくはないが竣工時の建築には心がないというか生命感がないと感じている。
やはり住宅に心を込めることができるのはお施主さん以外にはいないのだろう。
そこはもう住宅設計の手が届かない領域と認めざるをえない。
私たちにできることは、お施主さんが生命を吹き込めるようなデザインを全力でおこなうのみである。

そして、風景にも同様のことが言えると思う。
写真は、昔訪れた神島という伊勢湾に浮かぶ島。
愛知県のミコノス島と勝手に呼んでいる。
斜面に建ち並ぶ家々の風景は、そこに住む人々の日々の営みによってつくられたもので、いきいきとした生命感があった。
都市計画でつくられる街ではとてもこうはいかない。
そう考えると、建築家は常に謙虚でなければならないと改めて思うのであった。


「住宅における水盤」 2024/02/16 名古屋

名古屋の設計事務所

私たちは焚き火や川の流れを眺めていると、物想いにふけったり心地よい気分を味わったりする。
水盤に落ちる水の音や水面の煌めきを眺めることも同じように心地よさを感じるだろう。

住宅にもそんな水盤を設けると暮らしに潤いを与えてくれる。
もちろん多少の手入れなどの手間は増えるが、面倒なことを全て排除していては豊かさは手に入らないことも現実としてあるのではないだろうか。

しかし、面倒な事も楽しみに変えてしまうと良いことしかなくなるから面白い。
この家のお施主さんに話を聞いてみたところ、金魚を入れてみたり増えた水草を間引いてみたり、水盤の世界に手を入れることによって生じる様々な変化が面白いのだと言う。
気づけばいつの間にか手入れが楽しみに変わっていたという訳だ。

この住宅を訪れると、水がちょぼちょぼ落ちる音がとても心地よい。
何と言うか、住宅の敷地内であるにもかかわらず、水の音によってもっと広い世界を感じるから不思議だ。
やはり空間というのは、見える世界だけではないと言う事を実感する。


「災害に備える」 2024/01/21 名古屋

水盤

一言で災害に備えると言っても、どのように備えるのかが重要である。
防災用品を備えておけば良いのだろうか、いや、それだけでは足りないと考えている。

山を歩くようになってから気づいた事がある。
それは、山にいる時の状況は、きっと災害時の状況に近いであろうということだ。

山には水も食料も風呂もトイレも無い。
山小屋に行けばこれらはあるが、そこ以外の山の中には何も無い。

つまり、山を歩いている限りは頼るものは何も無いので、何が起こっても自分で何とかするしか無い訳だ。
だから山を歩く時には水や食料や防寒着やテントなどそれなりの装備を持って行く。

次に、災害時はどうだろう。
例えば地震によって家が倒壊し、命からがら脱出したとして、一旦落ち着いた時の状況は断水し、停電し、日常で機能していたあらゆるものが機能しなくなっているかもしれない。
想像するだけでも恐ろしいが、この場合も自分でなんとかするしかない。

我々の日常生活は、喉が乾けば蛇口から水が出るし、足を骨折して歩けなくなっても救急車を呼べば助けてもらえる。
携帯電話の電波が繋がらない場所も殆どない。

普段は気づかないかもしれないが、このように社会によって手厚く守られ、助けられているのが我々の日常生活なのである。
この状況を当たり前だと思ってしまうと少々危険である。

再び山での話に戻そう。
山では先の話の日常生活で得られる助けが全くない。
しかし、予め準備をして行動をすれば何も問題はないこともまた事実だ。
問題がないどころか、何も無い場所で過ごす体験は山の楽しみの大きな部分でもあると思う。

そして、ここが大きなポイントになるが、日頃から助けがない状況に慣れておくことによって、近い将来起こるであろう南海トラフ地震の際にも多少はゆとりを持って行動する事ができるかもしれないし、より幅広い状況に対応できるかもしれない。

防災用品を揃えておくことはもちろん大事だが、それだけでは足りないと考えるのはこのような理由があるからである。

建築家として設計事務所を営む者としては、設計する住宅を最大限安全なものにしなければならない事はもちろんだが、それを超えたところについても考えるとこのような事が頭の中を巡る。
やはり一人一人が、今まで以上に災害を他人事ではなく我が事として考えなければならない時期に来ていると感じている。


「明るい未来へ向けて」 2024/01/02 名古屋

名古屋の設計事務所

新しい年を迎え、清々しい気持ちで過ごしていた1月1日でしたが災害のニュースが飛び込んできました。
近年は世界規模で悪い出来事が沢山起こっているように感じています。
昔よりも情報が豊富だからそう感じるのか実際に多いのかは判りませんが、いづれにせよ未来は以前ほど明るく無いように感じてしまう現状です。

しかし、今までも、これからも、デザインによって幸せを少しづつ少しづつ創っていきたいという気持ちは変わりません。
何を残すことができるのかは判りませんが、実として感じられる事を一つ一つ積み重ねていきたいと思います。


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