中古マンションのリノベーション物件をお探しの方もいらっしゃるかと思います。しかし、数ある不動産の情報を見ても、そもそもリノベーション物件は数が少ない。その中で、希望の沿線の駅徒歩圏内のエリアで、間取り、専有面積、価格まで全てが満足できる物件を見つけることはなかなかの苦労を要すると思います。そんな時は、中古マンションを購入してからフルリノベーションを行うという選択肢もあります。このやり方であれば、まずは間取りの希望を満たすことは確実にクリアできます。間取りと物件を分離して検討できることが最大のメリットになるので、マンションの築年数や所在地、地下鉄沿線のエリアなど多くの条件を満たす物件が見つかる可能性も広がります。
例えば、名古屋市の千種区エリアに住みたい場合、そのエリアにある中古マンションを探します。その際には間取りは気にせず2LDKや3LDKなどおおよそ必要となる床面積だけを満たせば大丈夫です。中古マンションを購入したらいよいよリノベとなる訳ですが、物件を購入する前に相談をしていただく方が間違いは少ないと思います。より良い住まいを手にいれる為には、リノベーション物件を購入するよりもマンション購入とリフォームを分離して検討することをおすすめします。
画像は過去にリノベーションをおこなったマンションです。施工事例とご相談のご依頼はこちらのリンクからどうぞ。
西陽の家施工例 無料相談建築設計事務所として、建築家としての日々の業務について改めて書き連ねたいと思います。まず、新築・リノベーションのどちらの建築設計も行なっています。特に住宅の設計が多いですが、店舗や事務所なども行なっています。建主さんとの出会いは、メールでのお問い合わせや知人などからの紹介によって住まいのご相談を受けることが多いです。地域は、名古屋市と愛知県・岐阜県・三重県の辺りで家づくりを検討されている方が多いですが、国内であればどこでも大丈夫です。
ご相談内容は様々で、敷地を見に行きご希望・ご要望が可能なものかどうか、建て替えを検討するにあたっての選択肢など、それこそお施主さんによって異なる幅広い内容に対応可能です。建築事務所の仕事の中心は空間の設計やdesignですが、住宅設計の場合には専門家としての知識をいかし、家づくりに付随する敷地・工務店の選択のサポートその他も含まれます。同じ注文住宅でもハウスメーカーとの違いは物凄く大きく、ここでは書ききれないのでご相談いただければお話ししますので、お気軽にお問い合わせいただければと思います。
一般的には図面を描くことが設計事務所の仕事のように思われているかもしれませんが、実際には仕事の2割くらいを占めているにすぎません。仕事の8割は想像や分析、考えることが中心になり、クライアントのご要望を念頭におきつつ、調査をもとに建築計画を行い、空間設計・デザインを検討し、理想の暮らしを実現できる住まいを提案します。その後、さらに打ち合わせと改善を繰り返し、やっと全てがまとまったらそれを40〜50枚ほどの図面にします。僅か2割が図面を描く作業ですが、その図面には打ち合わせや検討を繰り返した全てが記され、これから出来上がる住宅の核となるのでとても重要であります。
他にも建主さんの代理として各種申請や交渉も行うので、業務の範囲は想像よりも広く思われるのではないでしょうか。そしてもうひとつ監理という重要な仕事があります。これは設計が正しく施工される為に行うもので、工事中に図面通り建物が施工されているかどうかを監理するものです。
設計が上手くいっても施工で失敗したら元も子もありません。設計事務所の仕事は、全ての始まりである設計から施工が完了するまでの全てに関わり、お施主さんの家づくりのパートナーという立場でもあります。そして、お施主さんの目が届かないところまでも目を光らせることが責務となっています。
最後にまとめると、建築設計事務所と家を建てる最大のメリットは、これから建てる住宅の全てを決定づける設計を建主さんとコミュニケーションをとりながら一緒につくっていくところにあると思います。
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無料相談日本には美しい建築が沢山ありますが、その中でも繊細で均整がとれたプロポーションをもつ桂離宮の古書院は好きな建築の一つです。柿葺きの大きな屋根と、その下の軽やかに連続する障子が印象深いファサードをつくりあげています。このような建築を目指して日々取り組んでいますが、設計事務所としての悩みも多くあります。その一つは設計事務所がどのようなところなのかという世間の認識がまだまだ浅いところです。実際のところ建築設計事務所って何?という方も多いと思います。その名の通りあらゆる建築の設計をしていますが、ここでは住宅の設計の大まかな流れとポイントを書いていきます。
ほとんどの場合、まず最初にご相談を受けます。何をご相談されてもお答えしていますので内容は多岐に渡り、敷地や費用や工事の話に始まり、ハウスメーカーとの違いなどあらゆる話に広がります。設計から施工までの建築に関する総合な幅広い知識を持っているのは、建築業界において設計事務所のみであると考えて差し支えないと思います。設計は、ご要望と雑談の中で感じ取ったお施主さんの好みを反映させたプランを提案し、それを元に、数ヶ月間打ち合わせを積み重ねながら修正しつつ完成させていきます。お施主さんとのコミュニケーションと設計に費やす時間の多さは設計事務所の大きな特徴だと思います。
次に施工ですが、設計事務所は工事を行わないので、工務店に依頼します。工務店の選択はお施主さんのご指定、またはご紹介する場合のどちらもあります。つまり、選択できる工務店に制限はないということになります。逆に、よく聞く建築条件付きの敷地やハウスメーカーの場合には工務店は選べないことが殆どだと思います。お施主さんにとって設計と施工が別になっていることは、一見すると面倒であるように思われるかもしれませんが、家を建てる時に一番大きな費用となる建築工事を中立の立場で設計事務所が工事監理をすることが、実は最大のメリットであり重要なポイントであります。
また、設計事務所は工事監理を行うと同時にお施主さんの代理人のような立場に立って工務店とやりとりをしますので、お施主さんに専門知識がなくても安心して家を建てることができます。この、聞きなれないであろう工事監理は、法で定められた「設計」「施工」「工事監理」の三つの業務によって建築物を一定のレベルに保つ為の重要な業務の一つであります。ちなみに、工事監理と現場管理は混同されがちですが、工事監理は建築士が行うもの、現場管理は施工者が行う管理業務の総称なので似て非なるものです。ご相談を受ける際にはこんな話も出たりするので、本当にありとあらゆるお話しをさせていただいております。
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無料相談暮らしに求めることと言い換えることもできますが、家に何を求めるかを考えることは理想の家を手に入れる為にとても重要なことだと思っています。家に求めることは人それぞれである。しかし、実際には何を求めるかを考えていないことも多いのではないでしょうか。身の回りのいろいろなもの、車や服や料理などに求めることがあるように、家にももっと何かを求めて良いと思います。
その、それぞれの人が求めることこそが住宅という建築物の特徴となり大きな魅力になると考えています。しかし、簡単には求めることを見つけられないかもしれません。そんな時に建築家という人種に頼ることもできます。彼らは話を聞く中から、その人が求めるものを見つけ出すこともひとつの役割なのです。住みてが住宅に求めるものをひとつづつ拾い出し、それを形にする。それこそが正に注文住宅の醍醐味であると思っています。
この写真の住宅は下のリンクからご覧いただけます。
ひんやりはうすあまりアピールはしていませんが、住宅の性能は必要と考えられるある程度高いレベルを常に保っています。ハウスメーカーその他では住宅性能が大きくアピールされていますが、快適に住むに必要な性能を持っていることは当然のことだと考えているのであえてアピールしていない訳です。これまで設計してきた全ての住宅はエアコンの台数も最小限で事足りますし、断熱性能も不快な季節がないレベルですし、耐震性能も耐震等級3相当を常に確保しています。これらは住宅のベースとして当たり前のものであり、それ以上に大切なのは楽しく暮らせて愛着がもてる家かどうかだと考えています。家が好きになる、帰るのが楽しみになる、家で過ごす時間そのものが趣味になるような、そんな家を設計・デザインしたいのです。
一般的にイメージされる家はLDKに個室が数部屋というものですが、そのような型にはまった間取りに暮らしを無理やり合わせることは勿体無いと考えています。家には他にもまだまだ多くの可能性があります。住む人の個性に馴染むようなもっと自由なものであっていいと思っています。この写真の住宅もそんな型にはまらない自由さをもっています。下のリンクからご覧いただけます。
ひんやりはうす通常は沢山考えた結果ひとつのアイディアが生まれるけど、たまにアイディアからアイディアが生まれ、更にまた次のアイディアが生まれ、更にまた・・・と連続して思考が炸裂することがある。だけどそんな時は書き留める手が全く追いつかない。そんな時にいつも思う。脳内の思考を直接記録できる技術があったらどれだけ有難いものかと。それでもパソコンに向かうよりも紙に書く方が圧倒的に早く、この時代になっても紙と鉛筆はまだまだ手放せない。時に、アナログのスピードはデジタルを凌駕するから不思議なものだ。特にデザインを考えている時は、文字から絵まで様々な表現方法で自由に記したい。しかし、これに対応できるアプリケーションは存在しない。つまりパソコンを使って記すことができるということは思考が妨げられているとも言える。紙と鉛筆は何も妨げない、考える過程ではアナログが有効なのだと思う。
ではデジタルの得意分野は何かと言うと、考え終わったものを記録したり、同じことを繰り返す単純作業には向いていると思う。この時代になってもデジタル一辺倒ではなく、まだまだアナログとの使い分けは必要なのだろう。最後にもう一つ、環境も考えに影響を与えていると感じる。どんな空間で、どんなテーブルに向かい、どんな椅子に座り、どんな紙にどんなペンを使って書くのか、そこから何が見えるのか、風は吹いているのかなど様々な要因によって思考の活性は違ってくるように思う。だから、設計・デザインをする時はなるべくストレスの少ない環境に身を置きたいと思っている。
画像は今日の事務所です。家具は下記のリンクからご覧いただけます。
TOGODESIGN KAGU設計事務所が考える規格住宅の第二弾が先日より受注開始できる様になりました。第一弾との違いは外装の仕上げのみで、今回は無垢の板張りになっています。外壁が板張りになったことによって建物全体の素材が木で統一され、小さな小屋のイメージが増しました。また、無垢材を使用したことにより外観の経年変化を楽しめる家になったことも大きなポイントです。
小さな家の設計は、住宅としての機能や豊かさを如何にして上手にまとめることができるのかが建築家に課せられた大きな課題ですが、そんななか新たな発見も沢山あります。例えば、こんなに小さいのに、低いのに窮屈に感じないとか、たったこれだけのことで開放感が得られるとか、普通のサイズの住宅設計をしていると気づかないようなことが沢山でてきます。そのようないろいろなことを盛り込んであるのがこの住宅であります。
それから、これから家を建てようと考えている方々がマイホーム計画を行いやすくする為に、価格はワンプライスにしています。もちろん、家財道具を持ち込めばそのまま住める仕様の住宅です。家づくりの中でも予算の計画は大きなウエイトを占める問題だと思いますが、工事費用や設計料以外にも様々な費用が積み重なる為に、その全体を把握することが困難である実態があります。これを少しでも緩和できればと考えたことが理由です。
この規格住宅は下記のリンクからご覧いただけます。
TOGODESIGN CABIN仕上げはいつもお施主さん。と言っても、壁を塗ったり床を貼ったり作業する訳ではない。住宅が完成し、実際に住まわれてお施主さんの暮らしの色に染まって初めて住まいは仕上がると思っている。住まわれて暫く経ってから撮影させていただいた写真と、建物竣工時のまだ住まわれる前の写真を見比べてみると毎回落ち込む。あまり言いたくはないが竣工時の建築には心がないというか生命感がないと感じている。やはり住宅に心を込めることができるのはお施主さん以外にはいないのだろう。そこはもう住宅設計の手が届かない領域と認めざるをえない。私たちにできることは、お施主さんが生命を吹き込めるようなデザインを全力でおこなうのみである。
そして、風景にも同様のことが言えると思う。写真は、昔訪れた神島という伊勢湾に浮かぶ島。愛知県のミコノス島と勝手に呼んでいる。斜面に建ち並ぶ家々の風景は、そこに住む人々の日々の営みによってつくられたもので、いきいきとした生命感があった。都市計画でつくられる街ではとてもこうはいかない。そう考えると、建築家は常に謙虚でなければならないと改めて思うのであった。
私たちは焚き火や川の流れを眺めていると、物想いにふけったり心地よい気分を味わったりする。水盤に落ちる水の音や水面の煌めきを眺めることも同じように心地よさを感じるだろう。住宅にもそんな水盤を設けると暮らしに潤いを与えてくれる。もちろん多少の手入れなどの手間は増えるが、面倒なことを全て排除していては豊かさは手に入らないことも現実としてあるのではないだろうか。しかし、面倒な事も楽しみに変えてしまうと良いことしかなくなるから面白い。
この家のお施主さんに話を聞いてみたところ、金魚を入れてみたり増えた水草を間引いてみたり、水盤の世界に手を入れることによって生じる様々な変化が面白いのだと言う。気づけばいつの間にか手入れが楽しみに変わっていたという訳だ。この住宅を訪れると、水がちょぼちょぼ落ちる音がとても心地よい。何と言うか、住宅の敷地内であるにもかかわらず、水の音によってもっと広い世界を感じるから不思議だ。やはり空間というのは、見える世界だけではないと言う事を実感する。
一言で災害に備えると言っても、どのように備えるのかが重要である。防災用品を備えておけば良いのだろうか、いや、それだけでは足りないと考えている。山を歩くようになってから気づいた事がある。それは、山にいる時の状況は、きっと災害時の状況に近いであろうということだ。山には水も食料も風呂もトイレも無い。山小屋に行けばこれらはあるが、そこ以外の山の中には何も無い。
つまり、山を歩いている限りは頼るものは何も無いので、何が起こっても自分で何とかするしか無い訳だ。だから山を歩く時には水や食料や防寒着やテントなどそれなりの装備を持って行く。次に、災害時はどうだろう。例えば地震によって家が倒壊し、命からがら脱出したとして、一旦落ち着いた時の状況は断水し、停電し、日常で機能していたあらゆるものが機能しなくなっているかもしれない。想像するだけでも恐ろしいが、この場合も自分でなんとかするしかない。
我々の日常生活は、喉が乾けば蛇口から水が出るし、足を骨折して歩けなくなっても救急車を呼べば助けてもらえる。携帯電話の電波が繋がらない場所も殆どない。普段は気づかないかもしれないが、このように社会によって手厚く守られ、助けられているのが我々の日常生活なのである。この状況を当たり前だと思ってしまうと少々危険である。
再び山での話に戻そう。山では先の話の日常生活で得られる助けが全くない。しかし、予め準備をして行動をすれば何も問題はないこともまた事実だ。問題がないどころか、何も無い場所で過ごす体験は山の楽しみの大きな部分でもあると思う。そして、ここが大きなポイントになるが、日頃から助けがない状況に慣れておくことによって、近い将来起こるであろう南海トラフ地震の際にも多少はゆとりを持って行動する事ができるかもしれないし、より幅広い状況に対応できるかもしれない。防災用品を揃えておくことはもちろん大事だが、それだけでは足りないと考えるのはこのような理由があるからである。建築家として設計事務所を営む者としては、設計する住宅を最大限安全なものにしなければならない事はもちろんだが、それを超えたところについても考えるとこのような事が頭の中を巡る。やはり一人一人が、今まで以上に災害を他人事ではなく我が事として考えなければならない時期に来ていると感じている。
新しい年を迎え、清々しい気持ちで過ごしていた1月1日でしたが災害のニュースが飛び込んできました。近年は世界規模で悪い出来事が沢山起こっているように感じています。昔よりも情報が豊富だからそう感じるのか実際に多いのかは判りませんが、いづれにせよ未来は以前ほど明るく無いように感じてしまう現状です。しかし、今までも、これからも、デザインによって幸せを少しづつ少しづつ創っていきたいという気持ちは変わりません。何を残すことができるのかは判りませんが、実として感じられる事を一つ一つ積み重ねていきたいと思います。
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