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ガルバリウム鋼板の外壁の住宅外観

無垢な素材と光の木造住宅

素色の家-しろいろのいえ/愛知県岡崎市

この住宅プロジェクトの始まりはちょっと珍しかった。最初にお施主さんとお会いした時には既に住宅の設計は殆ど出来上がっており、そこへ途中参加するという形でした。当初お施主さんは家具工房に家具と家の相談をしつつあちこちの設計事務所や工務店を廻られていたそうです。そして、最終的にはご自身で家のあれこれを考えて、家具工房と工務店の力を借りながら設計を進めていました。ところが諸事情により進めることが難しくなったところでお声をかけていただいたという流れです。

そんな訳で、設計は突然始まりました。これからつくる住宅について既に沢山の時間を共有している皆さんに一気に追いつかなければなりません。設計はある程度完成していましたが、もう一度ゼロからの提案をさせていただくことになりました。一通りのご要望を聞き早速プランの検討に入りました。ファーストプランの提案は、これまでお施主さん達が考えてきた設計内容をベースにした間取りと、もう一つ全く違うアプローチの間取りを新たに考えて、二種類のプランを提案しました。

そうして選ばれたのは新しいプラン。ここの敷地の情報を読み取ると西側の環境が圧倒的に良いことと、陽当たりが年間を通じて良いことが大きな特徴でした。この環境を活かすべく、太陽の動きを頭に思い描きながら3つの光の空間をつくろうと考えました。 また、これと同時に実用上は各部屋を周囲状況にしたがって配置しました。

敷地に対して北が傾いているので午後になると緩い角度で部屋の深くまで光が入るはずです。これを念頭に置き、吹き抜けは階段の影がくっきりと浮かび上がるように窓と壁面を大きくとり、時間と共にドラマティックに変化する光の空間にしようと考えました。食事をしたり寛いだり多くの時間を過ごす主室は、いつの季節でもゆったりと落ちつける柔らかい光の空間となるように窓の開口面積を調整しました。3つ目は美しい夕日を眺めることができる空間ですが、目的を定めた方角とワイドな窓による借景で四季折々の沈む太陽を感じられるようにしました。

その他にも日々の暮らしを愉しめるように、部屋と部屋の間にはちょっと腰掛けたり、日向ぼっこをしたり読書ができるような居場所を散りばめています。また、この住宅の全ての素材には無垢材やシンプルな素材を使用して、人と家との距離感が近くなることを願っています。

そうそうもう一つ、月夜には室内の灯りを消して高い窓から差し込む月の光も楽しめます。

写真・文:TAKANORI TOGO

吹き抜けにある鉄骨階段

鉄骨の階段

※写真は撮影を行い次第アップします。

キッチンダイニングと吹き抜け

専用住宅:木造2階建て

敷地面積:272.74㎡(82.50坪)

延床面積:105.00㎡(31.77坪)

外壁:ガルバリウム鋼板小波板

床:モルタル(1F)杉無垢板フローリング(2F)

壁・天井:PBの上EP塗装

キッチン・洗面台・ダイニングテーブル:Holly Wood Buddy Furniture



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