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平屋の二世帯住宅を道路から見る

面積以上の距離感をつくった平屋の家

いきいきHOUSE/愛知県常滑市(2011)

常滑市の中でも古くからある町の住宅の建て替えです。平屋で延床面積が30坪ほどの住宅ですが、ここには3世代のご家族が暮らします。通常、二世帯住宅でも延床面積は40坪程度以上は有り1階と2階に世帯を分ける平面プランが多いと思いますが、ここでは予算その他から三世帯が30坪の平屋に住むことが設計の大きな条件となりました。

なかなか難しい条件ではありますが、まず最初にクリアしなければならないのは一つの階層で三世帯それぞれの距離をとる平面プラン(間取り)をつくることです。しかし、面積は決まっているので直線距離を延ばすことは物理的に不可能です。そこで、中心から渦を巻いて距離をとるように住宅の平面を計画し解決しようと考えました。中心となるのは皆が集まる部屋で、そこからプライベートな各個室が遠回りに広がっていくようにすることで適度な距離感がうまれプライバシーを確保することができました。

また、打ち合わせを進めていくうちに家族それぞれが思い思いに日常の暮らしを楽しむ姿が想像できたので、皆が集い、いきいきと活動的に暮らすことができる空間をつくりたいと思いました。土間に配置したキッチンは家族が共同で使いやすくコミュニケーションの場にもなり、同じく土間に設けたワークスペースは趣味を楽しむ為の場のひとつです。皆が集い活動的に過ごせる空間は合宿所の共用スペースのようなイメージをもって考えました。

写真・文:TAKANORI TOGO

モルタル洗い出しの玄関土間 アプローチの土間と玄関扉

玄関土間の仕上げはコンクリート洗い出し。壁は全てプラスター左官仕上、床と天井は全て無垢板貼り。左右に分かれてワークスペースとキッチンがある。

お店のようなワークスペースの扉 リビングとダイニングキッチンの全景 長く静かな通り土間 土間のキッチンは広く3〜4人が同時に立てる 板張りの天井と左官仕上の壁

板張りの天井と左官仕上の壁。この家の中心となる部屋には北欧の家具が並ぶ。

トップライトからの光が溢れる洗面コーナー 窓には障子を備えるメインベッドルーム 日常の暮らしに便利な土間のエリア ダイニングテーブルのある風景 木とグレーでまとめたインテリアデザイン 障子を通して柔らかい光がはいる

障子を通して柔らかい光が入る。光の扱い方を考えることも住宅設計でおこなうことの一つ。

街並みに溶け込む外観は黒い下見板張り

ー専用住宅ー
木造平屋建
敷地面積:243.72㎡(73.72坪)
延床面積:105.35㎡(31.87坪)



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