無垢の家・高級注文住宅、愛知県名古屋市の建築設計事務所TOGODESIGN

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笹ケ根1308SA
名古屋市(2015)
専用住宅:木造2階建て
敷地面積:299.34㎡(90.55坪)
述床面積:220.00㎡(66.55坪)





「環境と施主様の要望」

住宅街の緩やかな坂を上がって行くと、角地にこの建物が建つ敷地があります。南側と西側に道路があり、南・北・東側を住宅に囲まれる一般的な環境です。

お施主様は飲食店を経営し、元気な男の子3人を育てる5人家族のご夫婦です。
設計を始めるにあたって大きな要望が2点ありました。
一つ目は、大きな軒下のような空間が欲しい、そこで子供達と工作をしたりしながら集いたい。
二つ目に、兎に角丈夫にしてほしい、元気な子供達が暴れてもへこたれないような建物にしてほしい。それは同時に長期的に愛着を持って住める住宅にしたいとの事でもありました。
また、お施主様との話を進めるうちに、家に居ながらにして別荘にいるかのような非日常的な過ごし方ができる事が大切だと感じました。





道路より建物を見る。





外壁と塀の素材を統一する事により一体感を生む。
室内と室外の境界を曖昧にする役割も担う。





中庭の樹木はヤマボウシ。
土間、食堂、書斎、洗濯室、勉強部屋などが中庭を囲む。





「大きな軒下のような空間の回答」

住宅を設計する際には、目新しさだけを狙ったものではなくストレスなく普通に住めるようにデザインする事を第一に考えていますが、逆にあまり保守的になりすぎない事にも気をつけています。

まず、「軒下のような空間」とは何なのかを考えることから始めましたが、雨をしのぐ事ができて開放的な場所であろうという結論に至りました。
通常の日常生活の中ではあまり縁が無い場である軒下ですが、「軒下のような空間」を家の中心となる場、沢山の時間を過ごせる場として機能させることを目標とし検討を進めていきました。

そして、部屋の南北に幅5m以上の大きな開口部を設けた広い土間であれば、大きく外部に開け放たれた軒下のような感覚が得られるのではないかと考えました。
この土間は大きな開口部を開け放てば外部の軒下空間のようだが、網戸も設置して開放的な内部空間として使う事もできるようにしました。
そこに中庭を隣接させて土間と動的な境界が無い一体感のある空間を創り出し、内外にまたがるこのエリアを住宅の中心となる場に位置付けました。
また、住宅街という周囲状況から中庭を囲むようにその他の空間や塀を配置することにより、これらのエリアは敷地外からの目線が遮られプライバシーが保たれるように配慮しています。





土間の南北は全開口の木製サッシ、夏場は全面網戸を閉じて過ごせる。向こう側は応接室。





南の庭より土間を見る。
土間の仕上げはモルタル洗い出し。
天井にはハーレクインの壁紙を使用した。蒔ストーブはピキャンオーブン。
すっきりとしたスペースであるが、幅4mの収納も設置している。





全開口のコーナー窓とソファー。角は特等席。
ソファー後ろには壁一面の本棚を設けている。





横になって寝る事もできる程の幅があるソファー。





階段室より土間の書斎を見る。左手が中庭。
天井板は2階の杉床板の裏を見せている、板厚は36mmとしている。





階段室の書斎コーナー。ニナ・キャンベルの壁紙を壁から天井へと連続させて貼った。
杉板と花柄の壁紙という異色の組み合わせだが非常に綺麗である。





約1.5mづつスキップする各階と階段。各階の近さを感じる。
階段は少々凝ったささらの形状とし、手摺については手触りの良い断面形状としている。
段板は杉の無垢材で足触りも良い。





幅6mのキッチンカウンターと長さ3.5mのシンク一体の食卓はオリジナルで製作した。
テーブルの天板とカウンターの扉は無垢のチーク材を使用。





棚にはさまざまな道具も吊り下げ可能。カウンターでの作業をスッキリと。
壁のタイルは、ガラス製モザイクタイル業界をリードするイタリアのメーカー「ビザッツァ(BISAZZA)」のガラスモザイクタイルを使用している。
まるで壁一面が大きな一枚のガラスのような印象である。
グリーンのガラスモザイク・ステンレス・チークの無垢材、これら三種類のコントラストが美しい。





応接室から食堂までを貫く照明ラック。
応接室上部の開口部は寝室への通気口。





「長期的に住む為の装飾と機能の分離」

長期的に愛着を持って住める家の回答として、建物の素材は味がでる事によって愛着が湧くであろう無垢材をメインに使用し、同時にそれらのメンテナンスを行いやすい建物仕様にするという2点に行き着きました。

最終的には構造材から仕上材までの殆どに無垢の杉を使用し、外壁においては「装飾」と「機能」を完全に分ける仕様としました。
厚さ40mmの無塗装の杉板を5mmづつ透かしてビス留めして装飾的外壁とし、その下に通気層を設けガルバリウム鋼板を貼った機能的外壁を隠しています。
何十年か後にビス留めの外壁の杉板を外して鉋をかけ、それを再び貼り直して蘇らせるという想定をしていますが、これは「装飾」としての杉板を外しても、「機能」としてのガルバリウム鋼板の壁で風雨はしのげる事により成り立ちます。
板厚は40mmもあるので数回は鉋をかける事も可能でしょう。また、一部が傷んでもその部分のみを交換する事も可能なので、補修も容易です。
内部においても床板は厚さ36mm、壁と天井も杉の無垢材なので同様の事が可能です。
つまり、新しい材料を使用しての補修の必要が無くなり、容易な手入れで長年に渡り住み続ける事ができるという仕組みです。

厚い杉板を使用する発想は、基本プランの計画中に訪れた製材所の小屋の外壁に無塗装の曳きっぱなしの厚い杉板が使われていた事に始まります。
無塗装でも赤身であれば数十年は持つとの話を聞いた事、外に立て掛けてある杉板の日陰部分は夏場でも涼しい事などを体感し、厚い板を立てかけるような感じで外壁を作りたいと考えました。
こうして、完成した建物は杉板の質量を感じられる迫力のあるものとなりました。





勉強コーナーを囲む寝室と子供室。





勉強コーナーより子供室を見る。間仕切り壁は30mm厚の杉板。





主寝室の書斎コーナー。





洗濯室より中庭を見る。
ベランダの手摺を縦型ルーバーのような形状にする事によって、道路からの目線は遮り中庭は見えるよう工夫している。





薪ストーブと夜の土間。










中庭より土間を見る。





夜は南の庭・土間・中庭の一体感がより一層増す。





窓を開け放てば、まるで外部に座っているかのような感覚を得られる応接室のソファー。





キッチンより応接室を見る。
部屋のコーナー部分に設けた奥行きの浅い棚は、頻繁に使用する日常生活のいろいろな物を置くのに便利である。





庭へと続く石畳。







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